> 暮らしと食 > 「生産者をたずねて」恵庭市の宮田さん【前編】
一面に畑と水田がひろがるおだやかな風景を眺めながらお話をうかがってきました。
モグマグの誌面だけでは、お伝えしきれなかった作物のこと、生産への想いを前後編2回にわたってご紹介します。
はじめまして。冊子見させていただいて、手嶋先生も関わっているんですよね。
文教大学の食育教室で、うちの畑に来たことがあって。最近、お会いしてませんがお世話になりました。
北海道文教大学では、毎年子ども向けの食育教室をおこなっています。宮田さんの農場での収穫体験のほか、野菜を使ったクッキングなどをされたそう。
種芋、かぼちゃ、ミニトマト、キャベツ、米、麦です。
そうですね。種芋は手がかかるので、生産する農家が少ないです。一度虫がつくとダメになってしまうので、防除の回数が多いんですよね。年に2回検査もあります。
菌が入ってしまうため、一般の人がふら〜っと畑の中に入ることはできません。
(取材時も、少し離れたところから種芋畑をながめつつお話をうかがいました。)
昔は、恵庭にも種芋をつくる農家が多かったんです。うちも、そのひとつで。それが、シスト線虫の発生で、種芋が作れなくなった地域が出てしまい、それ以来、生産する農家が減ったんです。うちは、被害がなかったので現在も生産しているんですよ。恵庭は、食用のばれいしょを生産する農家が多いので、同じ地域内で持ちつ持たれつの関係ですね。
種芋のとなりには、ビニールのかかったかぼちゃがずらりと並んでいます。
これは、恵庭の特産品「えびすかぼちゃ」で、おもに本州に出荷しています。—本州では「えびすかぼちゃ」はブランド品ですよね。
そうなんですけど、地元の人は味平かぼちゃの方が好きなんですよね。笑 地域によって、好みがちがっておもしろいですよね。
キャベツ畑で、草取りの作業をされているスタッフの皆さんを眺めつつ、ミニトマトが栽培されているハウスへ。向かう途中、気になっていた質問を。
それはですねーミニトマトの方が栽培しやすいんです!
それなりに手間はかかるんですが、それに見合った収穫と収入がえられるので、新規就農の方なんかも、まずミニトマトからはじめる人が多いですね。
ミニトマトのハウスに入ると、ブンブンと顔の周りに何かが……
マルハナバチです。受粉させるのに、ハウスの中で放し飼いにしているんですよ。刺さないんで安心してください。笑
ハウスにずらーっとならんだミニトマト。取材にうかがった5月は、まだ緑色の実が大半でした。
3月末に植えたので、2ヶ月半くらいですね。(取材時)まだまだ、上にも伸びていくし、実ももっとつきます。実を付けていく時が、植物はいちばん力を使うので、枯れたり欠乏症状が出やすくなる時期でもありますね。
そうなんです。ひとつずつ手で取っていきます。低いところになっている実を穫るのは、腰が痛くなるんですよ。労働力がもっとほしいところですね。
ちょうど、新聞に農福連携の記事も出ていましたよね。恵庭でも取組んでいる人がいるんですよ。
※農福連携とは、「農業」と「福祉」の連携により、知的・精神障害者を対象に高齢化・後継者不足に悩む農業に参加してもらう取り組みのこと。
取材時は、緑だったミニトマトもこの記事が出る頃には赤く実って、収穫時期を迎えているはず。宮田さんが腰を痛めていないことを祈ります。
植えはじめは、根張りをよくするために水をやりすぎないこと。
あとは、甘くしたい場合は水を少なめにやることですかね。ただ、そうすると皮がかたくなるので、そこは育てる人の好みで。
品種によって実のつき方が違うので、いろいろな種類の種を買って、育てくらべてみるのもいいかもしれないですね。
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