> 暮らしと食 > 「生産者をたずねて」恵庭市の宮田さん【後編】
一面に畑と水田がひろがるおだやかな風景を眺めながらお話をうかがってきました。
前回は、生産されている作物についてのお話をご紹介しました。
今回は、宮田さんにおとずれたターニングポイントと、生産にかける想いについてご紹介します。
恵庭は、若い人が多いんです。いろいろな品目を作っているので、収益性のバランスもよいし、最近は大規模農業の人も増えてきました。
恵庭市は、JAをはじめ新規就農者の育成や農用地の利用調整に力を入れている機関がいくつかあり、新規就農の土壌がととのっているんですね。
まず、観察をかかさないこと。草取りや、病気の予兆など、ちょっとした変化を見逃すと被害が大きいので。時間があれば、見て回ります。手間をかけた分応えてくれるので、後悔しないためにやるべきことはやる。を心がけています。
小さな変化も見逃さない宮田さんの姿勢は、4年前に訪れた大きなターニングポイントが影響しています。
16年目です。最初は、父の仕事を手伝ってる感覚だったんですが、最近はまわの人とのつながりが増えたり、自分の信念が出てきて楽しくなってきました。まあ、失敗もたくさんありますけど。
4年前に、突然、大粒のひょうが襲ったんです。キャベツはジャキジャキになって、かぼちゃも割れて茎だけが残るほど強烈なものでした。その時に、収穫できるのが当たり前じゃないことを痛感しました。
ほとんどの作物がダメになった中で、ハウス栽培で被害のなかったミニトマトに助けられました。そこから、色々な作物をつくることでリスクが分散されることを学びました。また、苗の段階だったキャベツが回復し、収穫できるまで成長したことから「簡単にあきらめちゃいけない」と教わり、植物の力を感じましたね。
自然の驚異をから感じた植物の力。「簡単にあきらめちゃいけない」何事にも通じる大切なことですよね。
失敗を乗り越え、自分の信念が出てきて楽しくなってきたという宮田さん。楽しさを感じることと、これからについて語ってくれました。
「こういうのつくりたい」って自分がイメージしているモノッってあるんですよね。それがその通りになったときは、やっぱりうれしいです。
前は考えたことなかったんですが、最近は年をとっても何かしら作っていたいと思うようになりました。いまは、収益とかも考えなきゃいけないので、「純粋に作物をつくる」ってことをしてみたいですね。
そうですね。やっぱり子どもがやる気の源になっています。「しっかりやらなきゃ」と思いますね。自分たちが作ったものをおいしいと食べてくれますし、お手伝いもしてくれます。仕事を頑張るのと、休んで家庭を大事にする、そのバランスが難しいですけどね。笑
農業に興味を持ってもらえるとうれしいです。農産物に限らず、国産のものや地元のものを安心して買ってもらいたい。子どもがいる身として、安心安全なものを第一に考えて生産していますし、そのために、日々がんばっています。
終止にこやかに、ひとつひとつの質問に丁寧に応えてくださった宮田さん。あたたかな人柄の中に、心に秘めた信念を感じた取材でした。
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