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暮らしと食

子育ても仕事もチャレンジ精神で広がる楽しみの幅 ーー管理栄養士 井澤綾華さんの食と子育て

2019.08.05
高橋さやか WRITER

高橋さやか

モグマグでは、ママならではの「子どもとの食を楽しむヒント」を届けたいという思いから、現役の子育てママへのインタビューをスタートしました。
5回に登場するのは、管理栄養士で井澤農園の井澤綾華さんです。

天使大学在学中から、積極的に食や農のイベントなどに関わってきた綾華さん。
卒業後は栗山町の地域おこし協力隊として活動し、産休・育休を経て、今年度から復帰しました。
子育てをしながらも「自分のやりたいこと」にまっすぐな、綾華さんの「子どもとの食を楽しむヒント」とは?

<お話をうかがった人>

井澤綾華さん

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1992
年札幌市生まれ。父親が借りている社宅に25mプールほどの大きさの家庭菜園があり、土に触れることが身近な環境で育つ。
3歳のころから大人用の包丁を使って母の料理の手伝いをしていたこともあり、食べることや作ることが大好きに。

高校部活引退後に挑戦した4つの料理コンクールで入賞。

料理研究家の肩書を持ちながら、管理栄養士、栄養教諭第一種を取得した経験を活かし、企業のレシピ開発、料理教室、栄養コラム・記事監修、各種講演会など精力的に活動中。

2018年に長女を出産。

どこまでも広がるさわやかな青空、のどかな畑。栗山町にある井澤農園4代目孝宏さんのヨメで管理栄養士の井澤綾華さんのもとへ伺いました。
綾華さんは、モグマグ創刊のクラウドファンディングの際に、メッセージをいただき、
2018年に開催したはじめのひとくち展では、マルシェでの出店とステージでは佐藤麻美さんとともに子どもの好き嫌いをテーマに、トークを繰り広げられました。
現在は、
1歳の娘さんの子育てをしながら、栗山町の地域おこし協力隊、料理研究家として活躍中です。

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ーーお久しぶりです。今日はお時間を作っていただきありがとうございます。

綾華:こちらこそ~。ようこそお越しくださいました。
これ、ノンアルモヒートと栗山町のさつまいもを使ったパウンドケーキなんですけど、どうぞ召し上がってください。

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ーーわぁ。おいしそう! ありがとうございます。

先日、栗山町でマルシェをやっていたのをSNSで拝見しました。大盛況だったようですね。

綾華:そうなんです。お陰さまで。でも、イベントって蓋を開けてみたいとわからないので、前日までは泣きそうでしたね。笑

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ーー綾華さんて、いつも明るくて、太陽みたいなイメージがあるので・・見えていないところでは不安もあるんですね。

綾華:どちらかというとワクワクの方が強いんですけど、気持ちの面では「うっ」となったり、「お客さん来るかな」と不安になることもあります。

ーーそうですよね。イベントって当日まで、ワクワクとドキドキが入り混じった気持ちになりますよね。ちなみに、マルシェはどういった経緯でスタートしたんでしょう?

綾華:4年前から栗山町の地域おこし協力隊をやっているんですけど、3年の任期のところ、産休と育休で1年間のブランクがあって、この春から復帰しました。
主に農業関係のお仕事で、新規就農者への案内や、学生と連携して農産物を使ったイベント企画のお手伝いなどをおこなっています。

今年からは毎月1回マルシェやろう!ということで企画して、第1回が(2019年)77日だったんです。

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ーーなるほど~。第1回目が大盛況とはうれしいですね。産休・育休を経てお仕事の面など変化したことはありますか?

綾華:そうですね・・やりたいことがたくさんある中で、子どものペースに合わせることも必要になってきたり、自分の思い通りにならないこともでてきました。でも、そこで諦めるのではなく、うまく調整したり、子どもも一緒に行けるなら行ったり。一緒にお仕事してる方にも甘えさせてもらってますね。

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好き嫌いは大人が決めつけないで、挑戦させてあげたい

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ーー色んなことにチャレンジする姿が素敵だなぁといつも思っています。道新のコラムでは、お子さんの食事も色々と工夫されていてすごいなぁと。好き嫌いなく育ってますか?

綾華:これは絶対ダメというのはないですね。

その日の気分でムラはありますけど、そういう気分なんだな~と割り切ってます。おやつをおにぎりに変えたり、次の食事で調整したり。

食べなかったものは「固すぎたのかな?」と少し長く茹でてみたり、味付けや食感を変えてみてます。

大人の勝手な考えかもしれないんですけど・・1歳の子ってまだ本当の好き嫌いがあるわけじゃないと思うんです。
だから、嫌いって決めつけないで、挑戦させてあげたいなと思っていて、手を変え品を変え出してみるというのはしていますね。

ーーエライなぁ~すごく視野が広いですよね。私は挑戦している途中で心が折れてしまったり・・何回も嫌だと言われると作る気力がなくなってしまったり・・。

綾華さんは、すごく大らかというか、「こういう時もあるさ」とドーンと構えられるのが若いのにすごいなぁと。

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綾華:性格もありますよね。私はやってみないとわからない。挑戦するのが好きなので。

今お腹に2人目がいるので、2人目はどうか・・?

ーー同じ親から生まれても、子どもによって違うというのはよく聞きますね。それぞれの個性なのかな。

あとは、子どもの頃に苦手でも大人になる過程で変わったりしますよね。ナスとか。私、子どものころナスとピーマンが苦手で、水で流し込んでました。笑

綾華:私の妹は結構好き嫌いがあったので、それぞれですよね。

あと、同じ野菜でも品種によっても味が違ったりするので、同じものでも作られ方が違うものを食べてみるとか。いろいろ試してみて、食べられるとうれしいですよね。

野菜たっぷりな井澤家の食卓

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ーーいろいろ工夫してお料理されていると思うんですけど、これはよく作る!というものは何かありますか?

綾華:煮豆とか五目煮は切らさないようにしていますね。子どもって豆が好きですよね。

うちの娘、一番最初にしゃべった言葉が「まめ」で。笑 

好きな食べ物全部豆って言うんです。

ーーかわいい!

綾華:あとは浅漬けや、うちはズッキーニがよくとれるのでカポナータとか作ってます。あらかじめ作っておくと副菜が作れない時とかに、便利ですね。

娘もよく食べてくれます。

ーーカポナータ、私が好きで作るんですけど、娘と夫があまり食べてくれなくて。私ばかり食べるはめになります。苦笑

さすが野菜たっぷりで、良いですね。

綾華:野菜は売るほどあるので、たっぷり使ってます。

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ーー特別な時のごはんて何かありますか?

綾華:家族がローストビーフやローストポークが好きで、最近流行りの低温調理器を取り入れました!

温泉卵とかも作れるし、放っておけばできるので、すごく便利ですよ。サラダチキンとか鶏ハムなどもプリッとおいしくできちゃいます。

ーー聞いただけでおいしそう。おやつも手作りですか?

綾華:いつもではないですけど、できる限り時間のある時なんかに作ってます。

娘には、ほうれん草やごまを入れた蒸しパンとか。

親戚の農家さんから小豆をたくさんいただいてあんこをつくって、おやきにしたり。

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子どもの頃からの「好き、楽しい」を仕事にするまで

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ーーお料理はいつからはじめたんですか?

綾華:母が料理好きだったので、小さい頃からお手伝いをしてましたね。あと、通っていた幼稚園が包丁を自由に使って良いところだったので、毎日大根の千切りを家に持って帰る・・みたいな。その時から楽しいなと。

それと、父が働いていた会社の社宅に25mプールくらいの畑があって、みんなで野菜を育てて収穫してBBQしたりしてたんですよね。
野菜を育てて食べてと言う環境が小さい時から身近にありましたね。

ーー子どもの頃からお料理が好きだったんですね。ずっと管理栄養士を目指していたんですか?

綾華:物心着いた時からパン屋さんになりたくて。近所のパン屋さんのお姉さんがすごく優しくて憧れていました。
高校2~3年生くらいまでパン屋さんになりたいと思っていたんです。

ーーずっとパン屋さんへの気持ちを持ち続けていたなんて!ピュア!

綾華:けど、高校が進学校だったので先生にそれはもったいないと言われて。

食に興味があるのなら最高位の資格を取ってみようかなと、14歳のハローワークを読んで食のプロフェッショナルである管理栄養士を目指しました。

ーー大学生活は?

綾華:食のプロフェッショナルと言っても、座学的な覚えることが多くて、かなりびっちり勉強する感じだったので、思い描いていた大学生活とは違いました。

北の食物研究所というサークルに入ったことで、農家さんへのファームステイや農村のお祭りのお手伝いをする機会があったんです。そこで、作り手の面白さ、座学以外の食の道、生産者寄りの目線に立って食の道に携わりたい、プロデュースしたいという気持ちが生まれました。

ーーターニングポイントですね。

綾華:そうですね。ボランティアでいろんなイベントに関わらせていただく中で、仕事を楽しんでいる大人を間近で見てきて、わたしもこういう風に仕事がしたい、こんな仕事の仕方もあるんだと思いました。
就職をしなくても、勇気を持ってやりたいことに挑戦していく姿を見れたのは貴重な経験でした。その時に出会った方達と今でもつながっていて、そこからお仕事をいただいたり、本当にありがたいですね。

ーー人柄もありますよね。人柄が良いから、出会った人とずっとつながっていけるんでしょうね。

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ーーレシピ開発もお仕事としてされていますが、それは大学に入ってから?

綾華:初めてレシピ開発をしたのは、高校生の時ですね。ずっとバスケ部だったんですけど、引退して暇だった時に、家庭科室でレシピコンテストのポスターを見つけたんです。「お!やってみようかな」と応募したのが初めてですね。
コンビニ主催のレシピコンテストだったんですけど、じゃがいもで作った牛柄のモンブランを考えて。それが商品化までした時に、おもしろいなと思って。

ーー初めてで!すごい。

綾華:それは学生の中でだったので。

そこから味をしめてじゃないですけど、ホタテや牛乳・乳製品、鹿肉、など色々チャレンジしては賞をいただいたり商品化していただいたりしています。

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ーー食のプロフェッショナルとしての道を着々と歩んでいる綾華さんですが、お子さんとの食事の時間で心がけていることはありますか?

綾華:自分の好きに食べさせることですかね。つかみたければつかませて。

あとは、キッチン解放。柵とかがつけられない仕様なので、娘が自由に出入りできるようにしています。

ーー私もキッチンは解放してました。一緒にできる方が良いかなぁと。ボウルとか危険じゃないものを与えておけば遊んでてくれるので。

ただ、ちょっと目を離した隙にぐちゃぐちゃになったアルミホイルが一面に・・とかはありますよね。

綾華:ありますあります。忙しい時はイライラしちゃいますけどね。笑

キッチンも遊び場みたいに捉えてもらえるといいなと。

私が料理を作っている姿を見て、興味を持ってくれたらうれしいですね。

ーーすぐに畑がある環境も良いですよね。

綾華:そうですね。私が家で仕事をしているときは、夫や家族が畑に連れ出してくれたり、お隣に夫のお姉さんの家族が住んでいて、姪っ子ちゃんが1年生なので一緒に遊んでくれたり。おじいちゃんも遊んでくれますし。家族に協力してもらっていますね。

どうしても、私の子どもなので私がしなきゃ・・とかあるんですけど、みんなで育てているんだと思って、甘えるようにしていますね。

ーー周りに甘えることも必要ですよね。私も子どもはみんなで育てるものだと思ってます。

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ーー最後に、同じように子育て中のお母さんに向けてひとこと。

綾華:なにか目標をもって暮らせると、生活に幅ができると思うんですね。

潤いができて、子育ても楽しくなるし、自分のことも好きなれるなと最近思います。

育休中は子どものことだけで、それはそれで楽しかったけど、今は子供をあずけて働いていると、両方楽しめるというか。

私の場合は栗山町に地域おこしで来たということもあるので、子どもがもっと好きになれるような栗山にしていきたいし、周りの人や農家さんと仲良く盛り上げていきたいという思いからマルシェをはじめました。

仕事じゃなくて、資格とかサークルとか趣味とか、前に進めるような未来が見えるような目標があると楽しいんじゃないかと思います。

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インタビュー中、同居ならではの価値観の違いに戸惑うというお話も。人によっては「大変だな、しんどいな」と感じられることにも、持ち前の明るさで向かっていく姿が人を引きつけていくのだなと感じました。

「栗山には珍しい野菜、美味しい野菜をつくってる農家さんがたくさんいるので、農家仲間で自分たちのやりたいマルシェがやりたいね」とスタートしたマルシェ。月1回栗山町で開催されていますので、ぜひ足を運んでみてください

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WRITER

食育フリーマガジン『mogmag(モグマグ)』代表取締役 編集長。
食育アドバイザー/幼児食インストラクター。

寒くて暑い旭川市出身。幼少期はおもに、自然豊かな「お米とでんすけすいかの街」当麻町にある祖母の家で、田んぼと畑を走り回って過ごしました。「思い出にはいつも食べものがある」食いしん坊の料理好きです。
大学進学を期に北海道をはなれ、都会の荒波にもまれる。卒業後、札幌にうつり印刷会社、広告代理店などをへて、2010年実父とお酒と音楽のお店 oyacoをオープン。
デザイン、イベントの企画運営、店舗運営に携わり、「占ナイト」「モテナイト」などユニークなイベントを展開。2012年惜しまれつつ閉店しました。
2012年よりフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動し、2013年に長女を出産。
子育てをきっかけに「子どもと食」の大切さを見直し、2015年食育フリーマガジンmogmag(モグマグ)を創刊しました。
「ママも子どもも笑顔の食卓」をテーマに情報を発信し、おいしい笑顔をはぐくんでいます。
北海道新聞『朝の食卓』にて、コラム執筆中です。

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http://www.sayakat.com

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