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子どもの食育暮らしと食

「大丈夫、そのうちできるようになる」 食の好みは変化していくから、長い目で向き合えばいい。根本亜矢子さんインタビュー

2018.09.14
高橋さやか WRITER

高橋さやか

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子育ては、十人十色。
モグマグでは、ママならではの「子どもとの食を楽しむヒント」を届けたいという思いから、現役の子育てママへのインタビューをスタートしました。

第二回に登場するのは、北海道教育大学札幌校家政教育 特任講師の根本亜矢子さんです。
食育について詳しい根本先生は、モグマグのお手伝い特集でもお話を聞かせてくださいました。
その際に、現在小学6年生の息子さんとのエピソードをうかがったことから、今回のインタビューに登場いただくことに。

■お話をうかがった人
根本亜矢子さん

nemoto_13北海道教育大学札幌校特任講師 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科助手を経て2015年より現職。
学外の食育講座での講師なども務める。

 

爽やかやかな陽気の中訪れた北海道教育大学札幌校。緑があふれるキャンパスを通り抜け、根本先生の研究室へと向かいました。

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ーー今日はお時間をいただきありがとうございました。

根本:こちらこそ。お越しいただきありがとうございます。

ーー冬号(※)でお手伝いについての取材をさせていただいたときに、先生の息子さんのエピソードもうかがって、お手伝いを結構されているという印象がありました。
(※:食育フリーマガジンmogmag/2018年1月発行号の特集記事)

根本:う〜ん。最近はしないですね。笑
小さい時の方がしてくれました。

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ーーそうなんですね。笑

根本:最近は、勉強に時間をとられることも多いので、なかなか難しくなってきて。
小学校に上がる前の年長から小学校低学年くらいまでは、
混ぜる、調味料を合わせる、ご飯やお味噌汁をよそってもらう。
という簡単なお手伝いをお願いしていました。

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ーーお子さんの成長とともに、やらなきゃいけないことが変化していくんですね。

根本:そうですね。どちらかというと、私が仕事で家を開けているときに、
夫と二人で「何か作ろうか」とやってるみたいですね。
水泳のゴーグルをして玉ねぎを切ったり。その写真が送られてきたり。笑

ーー男同士で楽しそうですね。

根本:男同士だけで、何やっても怒られずに好きにできるのがいいみたいですね。

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ーー先生のようなお仕事だと、食に関して色々気を使われていたり、お子さんも好き嫌いなくなんでも食べるイメージがあります。

根本:息子は、食べるのは好きなんですが、野菜の好き嫌いがありますね。
夏になると、夏野菜をたっぷり使ったラタトゥイユが私は好きで作るんですが・・中に入っているパプリカとかを息子は食べられないので、私一人で食べていたりしますね。笑


ーーそれは私もあります! 先日、夏野菜のナスやピーマンを使って揚げ浸しを作ったのですが、娘も夫もほとんど食べてくれず・・(涙)私一人で、毎日揚げ浸しを食べていました。笑
私の娘も野菜の好き嫌いがあるので、「何だったら食べてくれるかな?」と、いつも考えています。私が食べたいものだと娘は食べてくれないし・・ということが結構あるので、献立に悩むことも。

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根本:本当は色々なものを食べてもらいたいという思いはありますけど、とりあえずは好きなもの・食べられるものを出しています。11年子育てしてきた中で、嗜好の変化を目の当たりにしてきたので。
以前は食べられたけど、食べれなくなったり・・ということもあるし、その逆も。なので、長い目で見るようにしてますね。

ーー長い目で。子どもが小さいうちだと、親の経験も少ないので「このまま食べないんじゃないか」「大丈夫かな」と心配になってしまいます。


根本:以前は、ハンバーグやつくねの中にすりおろしたにんじんを入れたり、あの手この手を使ってみましたけど、食べないものは食べないということもあるんだなと思いました。
味付けを変えても、「にんじんはにんじんだから」という感じなので。他の野菜で栄養を補うこともできるので、今は食べられる野菜を使って、「出されたものは食べるように」という風にしていますね。

それと、給食では頑張って食べているんだろうから、家では少し気を抜いて、メリハリをつけるようにしています。

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お仕事を続けながら、子育てをされてきた根本先生。「30分以内で調理する」という、毎日のご飯について伺いました。


ーお仕事と子育てにお忙しい中で、手軽でよく作るお料理はありますか?


根本:夕食は、ご飯、味噌汁、メイン、副菜。できるだけ簡単に、30分でチャチャッと作って食べられるものにしています。

ーーお味噌汁は、私もよく作ります。先生のお家ではどんな具を入れますか?

根本:大根とわかめ、キャベツと油揚げ・・割と定番なものが多いですね。
たまに違う味に。と思ってもやしとか玉ねぎを入れると、不評ですね。笑

お味噌汁と副菜で野菜をとって、お肉やお魚をメインに、という感じです。

ーー目新しい具材にすると、家族からは不評ということってありますよね。息子さんが好んで食べるものってありますか?

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根本:料理ではないですけど、お刺身が好きになりましたね。
小さい頃は、生物って避けがちですけど、成長してきてお刺身とかお寿司が好きになりました。
手巻き寿司だと自分で好きなものを巻いて食べられるので、喜んで食べてくれますね。


ーうちの娘は「お刺身食べてもいいよ」と言っても「まだ食べられないから」と言われてしまうのですが、先生の息子さんは何歳くらいからお刺身を食べていましたか?

根本:小学校に上がった時には食べていた気がしますね。
お刺身のネタも種類によって食べられるもの、食べられないものが年齢によって変わってくるんです。
エビが好きだったけど、食べなくなったり・・また食べられるようになったり。
それがホタテに変わったり・・その時によって変わりますね。

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ーー読者の方からは、お子さんがあまり食べてくれないという声だったり、食事の時間に落ち着いて食べてくれない、というお悩みの声をいただくのですが、先生自身は何かありますか?

根本:小さい頃の記憶がだんだんなくなってきていて・・わりと健康なので、それほど困ったことはないんですけど、最近は食べる時間が長いことかな。性格なのかわからないですけど、夕食に1時間くらいかかるんです。
おしゃべりもしたくなるので、親が食べ終わっても一人で食べ続けてますね。


ーーダラダラ食べるのは良くない、と良くいわれますが、性格として受け入れてるのでしょうか?

根本:ダラダラというよりは、食事中はずっと座ってしっかり噛んで食べてはいるので、彼にとってのんびりする、ホッとする時間なんでしょうね。
食卓についてから席を離れて、とかだとマナーも良くないですけど、そういうことではないので、性格として受け入れています。
小さかった頃は、食べることに一生懸命でそんなに時間がかかってなかったんですけどね。

ーー食べ方も年齢によって変わっていくんでしょうか。

根本:そうですね。小学校に行ってからお話するのが好きになって、一緒に食卓について食べ始めたのに、ずっとお話しつつ食べていますね。
その調子だと、学校給食も大変なんじゃない? と聞くと、献立によっては苦労してるみたいです。美味しいものを食べる時の速さはすごいですけどね。笑
味の濃いおかずなんかだとご飯が進むのかな? と思うんですけど、そういう訳でもなくて・・難しいですね。

あまりにゆっくりなので、こちらも後片付けを待っていられなくて、最近は「自分の食器は自分で片付けましょう」ということを取り入れました。

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お子さんの好き嫌いとも上手に付き合いながら子育てをされている根本先生。ご自身は、子どもの頃から食に興味があったのでしょうか? これまでの道のりについてお話を聞いて見ました。

ーー今、食や栄養に関わるお仕事をされていますが、子どもの頃から食に興味があったのでしょうか?


根本:食という大きなくくりではないですが、小学生の頃、将来パン屋さんになるのが夢でした。
中高生の頃は、3食パンとコーヒーでいいと思ってた時期があって・・バランス悪いですよね。


ーーそれが今は・・

根本:大学を選択する時に、「何になりたいか」が漠然としていたんです。
それで、消去法で絞っていって食が残ったんです。
そこから、食について学べる大学を調べていく中で、栄養士になるのもいいなと思い大学を選びました。
食については、大学に入ってから本格的に・・ですね。

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ーーその道に進まれてみてどうでしたか?

根本:考えていたよりも、栄養士の世界は広かったですね。
病気の人から健康な人、子供からお年寄りまで。どんどん興味が湧いて、結構真面目に勉強しました。

以前は、働きながら子育てということは考えていなかったんですが、ちょうど妊娠がわかった頃に、仕事が結構乗っていたタイミングだったので・・産んですぐ戻ろうと。4ヶ月の時に復帰しました。
今思うと、もうあの頃は戻ってこないので、最大限休んでも良かったのかも。
当時は、大変だったと思うんですけど、記憶がないですね。どうやって生活してたんだろう?と。笑


記憶がなくなるほど、仕事に子育てにと奔走してきた根本先生。最後に子どもとの食卓を楽しむためのヒントをうかがいました。

根本:うーん。何だろう。「大丈夫そのうちできるから」って声をかけたいですね。
今できなくても、そのうちできるようになる。食べられうようになるので、長い目で見てみるといいのかな、と。
自分が笑顔じゃないと子どもも笑顔じゃないので。気持ちに余裕を持ってあまり怒らないように、できるだけ笑うようにということを心がけています。

ーーついつい。気持ちに余裕がなくなってしまいますけど、笑顔でいることって大切ですよね。

根本:そうそう。先日、久しぶりに高校の同級生に会った時に、5歳の双子ちゃんの子育てをしている友人が「うちの子、全然食べないのよ」と悩んでいたんですね。
それで、「何を食べてるの?」と聞いたら「あれとこれと・・」と言うので、「十分食べてるよ」と言ったら、「ありがとう、気持ちがすごく楽になった」って。
私は何気なく言った言葉だったんですけどね。

だから、子育て中のお母さんたちにも「大丈夫だよ」って声をかけたいですね。
好きなものを食べて、大きくなっていれば大丈夫。と言ったら、栄養学的にはダメなんでしょうけど。笑


「こうできたら」という理想はありますけど、その子の性格や成長によっても違ってくるので、もっと肩の力を抜いていいと思いますよ。

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子どもの食事について、理想と現実の間で「いいのかな? 大丈夫かな?」と悩んでしまいますが、根本先生のナチュラルな姿勢を垣間見て、目の前の子どもとの時間を笑顔で過ごせるようにしようと思えた取材でした。

取材中に、学生さんが先生の研究室に訪れる場面も。

「学生と一緒に保育園に行って、園児におやつのにんじんケーキを提供するんです。
技術と家庭科の学生で行くんですが、意外に男子がおやつを作りたいと。楽しみですね。」と語っていた根本先生の笑顔が印象的でした。

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食育フリーマガジン『mogmag(モグマグ)』代表取締役 編集長。
食育アドバイザー/幼児食インストラクター。

寒くて暑い旭川市出身。幼少期はおもに、自然豊かな「お米とでんすけすいかの街」当麻町にある祖母の家で、田んぼと畑を走り回って過ごしました。「思い出にはいつも食べものがある」食いしん坊の料理好きです。
大学進学を期に北海道をはなれ、都会の荒波にもまれる。卒業後、札幌にうつり印刷会社、広告代理店などをへて、2010年実父とお酒と音楽のお店 oyacoをオープン。
デザイン、イベントの企画運営、店舗運営に携わり、「占ナイト」「モテナイト」などユニークなイベントを展開。2012年惜しまれつつ閉店しました。
2012年よりフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動し、2013年に長女を出産。
子育てをきっかけに「子どもと食」の大切さを見直し、2015年食育フリーマガジンmogmag(モグマグ)を創刊しました。
「ママも子どもも笑顔の食卓」をテーマに情報を発信し、おいしい笑顔をはぐくんでいます。
北海道新聞『朝の食卓』にて、コラム執筆中です。

ブログもご覧ください。
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http://www.sayakat.com

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